美しいって、誰が決めるんだろう
先日とても素敵なCMを見ました。
Doveのコマーシャルです。
最初に映し出されるのは一人の男性。
長年警察で、人々の証言をもとに多くの似顔絵を描き、
捜査に協力してきた人物です。
一人の女性が設定された部屋に招き入れられます。
でも似顔絵を描く男性と、この女性はカーテンで仕切られている。
男性がたずねます。
「あなたの顔の特徴を教えてください。
目は？ 顔の輪郭は？ あごはどんな風ですか？」
全く顔を合わせることなく、
描かれる人の”証言”だけで、
似顔絵が出来上がっていきます。
そして、出来上がっても顔を合わせることなく部屋を出ていく。
次に招き入れられた人に、この絵を描く男性がたずねます。
「先ほどの女性の特徴を教えてください。
目はどんな風でしたか？ 顔の形は？ あごは？」
待合室で一緒だったので、次に入った人は一所懸命、先の女性に対して持った印象を伝えます。
「素敵な目をしていました。すっきりした顔立ちで・・・・」
こうして他の人からの”証言”をもとに、
同じ人物について、2枚目の絵が描かれていきます。
設定された部屋には、こうして描かれた2通りの似顔絵が、たくさん掲げられています。
自分で思っているイメージをもとに描かれた絵と、
他の人の印象をもとに描かれた絵。
そして、再び部屋に入って自分の似顔絵を見た人々。
二つの自分の似顔絵を見比べて、人々は驚きの表情を見せるのです。
そのあまりの違いに。
この時の表情が、また素晴らしい！
自分に対して持っているイメージと、他の人から見た印象がこんなにも違うなんて。
花は観手に咲く
このCMをみてFumieが思ったこと。
人は、誰かの顔のつくりや、ウエストの細さを見ているのではなく、
表情、笑顔、身のこなしが素敵だと思ったとき、
美しい人だと思う。
誰もが持っている美しさは、固定されたものではなく、
人と人との間で、活き活きと生まれてくるものなんだ。
そんなことを思いました。
最近学んだ言葉に「花は観手に咲く」という言葉があります。
能楽の世阿弥のことばだそうです。
人やもの、こと、そのものが素晴らしいのではなく、
相手に伝わって、受け手の中で初めて華が咲き、
美しい、素晴らしいという価値が生まれる。
本当にその通りだなあと、思いました。
言葉を学ぶのは、誰かに想いを伝えたいから。
誰かに伝わって初めて花が咲く。
伝えたいこと、伝えたい人がいるのはなんて幸せなことなんだろう。
考えやこころが、美しくなれるチャンスがいっぱいあるってことだと思います。
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